鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニア(脱腸)は小児の場合は先天的な原因によるものが多いですが、成人の場合は加齢により筋膜が緩んでくることが原因です。40歳以上の男性によくみられます。女性の場合は男性に比べ少なく男女比は4:1から8:1と言われています。

鼠径ヘルニアになりやすくなる要因としてはお腹に圧がかかる状態あります。例えば重いものを持ったり、便秘で力むことが多かったり、慢性的に咳が多かったりする方です。

鼠径ヘルニアの特徴は自然には治らないということです。

出たり入ったりを繰り返しているうちに徐々に出ていることが多くなります。そして危険なのは飛び出たまま戻らなくなってしまう状態です。これを嵌頓(かんとん)と言います。こうなると飛び出た腸が壊死し、緊急手術が必要になります。そうなる前に手術が必要です。

明和セントラル病院では鼠径ヘルニアに対する手術は腹腔鏡を用いた「TAPP法」、直視下に行う「オンステップ法」または「メッシュプラグ法」で行っています。基本的には入院が必要で、入院期間は2日~5日です。直視下で行う方法は腰椎麻酔が基本ですが、局所麻酔で行うことも可能ですので体力の低下した方やご高齢の方でも安全に手術が可能です。